「漂流教室」や「おろち」「14歳」などなど「恐怖ホラー漫画の第一人者」として世界的に有名な漫画を世に発表し続けてきた、
和歌山県&奈良県が生んだ天才漫画家であり藝術家『楳図かずお』先生。
そんな楳図かずお先生が27年の時を経て新作を発表した、
「楳図かずお大美術展」(2022年1月28日から3月25日まで東京シティビューにて開催)に関する動画を見つけたので今回ご紹介させていただきます。
楳図かずお先生は、1936年(昭和11年)和歌山県伊都郡高野町に生まれて奈良県五條市で育ち、高校卒業後「貸本漫画家」として活動をしながら、
その後上京して様々な漫画を世に送り出してきた「日本漫画界の伝説(レジェンド)」であり、まさに『鬼才中の鬼才』な方ですよね。
世界で初めて『恐怖マンガ』という言葉もジャンルも作ったのが楳図先生なんだと知って私もビックリしましたね。
実は正直に言いますと、
私は楳図先生の画風があまり「得意」な方ではないんですよね(笑)。
先生のファンの方々には大変申し訳ないんですが、
楳図先生が描かれるあの独特の「絵」や「タッチ」が自分的にあまりにも「怖くて恐ろしくて」、
読むとトラウマになりそうで、
私、先生の作品は殆ど読んだことがいないんですよね。
だけど、楳図先生の描く女性たちの姿などはとても妖しく美しくて、
先生の天才的な画力と物語構成は本当に素晴らしくまさにアートだなと感心しています(だから余計怖いんです!! ( ;∀;)おっかねぇよう~)。
私が子供の頃は先生のお下劣ギャグマンガ「まことちゃん」が世間では流行っていたんですが、
当時から楳図先生のあの「テイスト(作風)」は自分的には「かなり苦手」で、
「まことちゃん」もほとんど読んだことがないんですね(楳図先生ごめんなさい((+_+))じぇじぇ~)。
しかしそんな私でも、だいぶ大人になってからなんですが、
唯一、楳図先生の作品で最初から最後まで「ハラハラドキドキしながら読み切った漫画」があるんですね。
それが『わたしは真悟』という作品です。
「奇跡は誰にでも一度おきる だが おきたことには誰も氣がつかない。」
『わたしは真悟』は楳図先生が描かれた数ある漫画の中でも「最高傑作」とも言われている、
1982年から86年にかけての約4年間「ビッグコミックスピリッツ」という漫画雑誌に連載された長編SF漫画なんですね。
私が「この漫画の存在」を知ったのは実は作品が発表されてからだいぶ年月がたってからのことでした。
とある雑誌に『わたしは真悟』の有名なワンカットが偶然乗っていたのを見て、
「これは面白そうだな」と思ったのがキッカケでした。
おっかなびっくりながらも単行本を読み進めていくうちに、
「これだけの壮大な世界観の作品を、昭和のあの時代に描いていたなんて、、」と、
いい歳をした大人の私が驚愕しまくったワケなんですよね。
『わたしは真悟』が初めて描かれた昭和57年(1982年)は、
当時「マイコン」と呼ばれていたコンピューター(PC)が世の中に出始めたばかりの時代でした。
しかし楳図先生は、作中においてその当時存在していなかった現在の「インターネット的電脳世界」を描写していたり、
「AI(人工知能)がこの世界にもたらすであろう可能性や恐ろしさ」を凄まじいほどの想像力で描いていたりと、
とにかくハラハラドキドキする展開と面白さが次から次へと襲ってくる驚天動地な漫画なんですよね。
「これは漫画という枠を超えて、エンターテインメント、アート、あるいは『哲学的思想や予言の書的な作品』として見ても、
とんでもなく凄い娯楽作品だな」と感じたんですよね。
まさにその当時の楳図先生の頭の中にあったであろう、
「私達が暮らしている現実世界における創造的なミラクルワールド」が凝縮されまくった作品なんだと思いましたね。
『わたしは真悟』の超簡単なストーリー説明ですが(あくまでも私の解釈です)、
「とある町工場の「無機質な産業用ロボット」が「自分に命を与えてくれた生みの親」である男の子と女の子、
二人の小学生たちを探しに世界へ旅にでる」というものです。
機械である『真悟』が自分の生みの親である二人の小学生を探していく過程で様々なことを経験していく中で、
「偶然(必然)とは」「生きるとは」「神とは」「宇宙とは」「愛とは」「人間とは」「生命とは何か」というような、
この世界に存在する私たち人間にとっての根源的な「深い問いかけ」をしながら世界中を冒険をしていくという、
ある意味とんでもなく奇想天外な物語なんですよね。
『わたしは真悟』の「物語の奥深さ、そして面白さ」は、
もはや既存の『漫画』という枠を超えてしまったな、と私はこの作品を読み終えた後に感じましたね。
およそ一般的な漫画では一見描き切れそうもないとてつもなく壮大で深遠なテーマを、
少年マンガという娯楽作品(エンターテインメント)に昇華させて、
「ここまでやるか」というくらい『楳図先生の想い』を思いっきり作品に注入して描き出している作品なんだと思いますね。
楳図先生の「ホラー系漫画」は苦手な私なんですが、
もし私のように「楳図先生独特の絵や漫画はちょっと苦手」で先生の作品を手に取って読んだことがないという方々がいらっしゃったら、
『わたしは真悟』はそんな方々に、絵的にも物語的にも全然大丈夫な作品だと思います。
さらに先生の「超絶な創造性(クリエイティビティ)」を知ることの出来る貴重な作品なので、
ぜひ一人でも多くの方に読んでいただきたい「日本が誇る超傑作漫画ですよ~!」と超絶お勧めしたいですね!!
余談ですが、
『わたしは真悟』は2017年にフランスで開催された「漫画界のカンヌ映画祭」と言われている、
「第45回アングレーム国際漫画フェスティバル」において、『これからの世界に永久に残すべき藝術作品』として、
同フェスティバルの『遺産賞(PRIX DU PATRIMOINE)』を受賞したんですよね。
そんな『わたしは真悟』の「続編的世界(?)」を、
27年ぶりに「新しいアート作品」としてアクリル絵画に発表したのがこの『楳図かずお大美術展』なんだそうです。
2022年現在、御年85歳になられた楳図先生ですが、
元氣快活にして精力的に創作活動をされていることに驚愕するとともに、
先生の創造力(想像力)も世界観も未だに発展し続けていたんだという事実に畏敬の念すら覚えますよね。
今回、私はこの場で初めてするお話があります。
世間の方でこのことを言っている人はまだ誰もいない事だと思うんですが、楳図かずお先生が『わたしは真悟』で表現した「創造性(クリエイティビティ)」には、
私の地元・岩手県花巻市が生んだ日本を代表する世界的童話作家『宮澤賢治』に相通ずるものがある、と私は感じるんですよね。
この先たとえどれ程私たちの住むこの世界が進化・発展したとしても、
ロボットもコンピューターもインターネットの欠片すら何一つなかった明治・大正・昭和初期の時代に生き、
未来永劫に語り継がれていくであろう『銀河鉄道の夜』のような宇宙的な壮大かつ美しい童話作品を、
自らの『途方もない想像力』だけで創作した天才・宮澤賢治。
特にこの『わたしは真悟』という作品には、賢治の『銀河鉄道の夜』や『竜のはなし』にも通じる「創造性」と「天才性」と「狂氣」、
さらには「宗教的な死生観」や「物語の深遠さとその深いメッセージ性」などを感じることが出来る、と私は思います。
宮澤賢治の作品が好きだという方は、ぜひ『わたしは真悟』を一度読んでいただきたいですし、
『わたしは真悟』が好きだという方には、「銀河鉄道の夜」や「竜のはなし」を読んで欲しいですね。
どちらもきっとその物語を楽しんでもらえると思います。
注:宮澤賢治の童話作品の中には一般的な「ホラー」とは違いますが、実はある種の「怖さ」がある、と私は感じています。
楳図先生が描いている「ホラー漫画」と賢治の「童話」は、一見全く違うジャンルの様な感じがしますが、
実は賢治の作品の奥底に流れている「深い人間心理の追求」や「死生観の描き方」と言ったものには、
両者相通じる独特の「怖さ」みたいなものがある、と私は思います。
そんなワケで改めて、
2022年(令和四年)1月28日から3月25日まで開催されていた『楳図かずお大美術展』関連の動画をご紹介させていただきます。
『楳図先生』と『わたしは真悟』に関連するおまけの動画も沢山張っておきましたので、
楳図先生を知らなかった方々(特に若い世代の方々)には、ぜひいろいろと動画を見てもらって、
楳図先生とその作品について知っていただきたいですね。
そして出来る事なら、
ぜひ漫画単行本やWEBでデジタル漫画の『わたしは真悟』を購入していただいたりして、
楳図先生が描いた「極上のエンターテインメント」を現実の世界で大いに堪能していただきたいですね (^O^)/じぇ!!!!
そして、さらに出来る事ならひとりでも多くの方が楳図先生の「創造性(クリエイティビティ)」に生で触れてみて、
そのユニークな世界観とアートを「体感」して欲しいですね!!!!!
それでは、どうぞ~!👇👇👇👇
楳図かずお氏の展覧会開催、27年ぶり新作発表
中川翔子、楳図かずおさんと8年ぶり対面に大興奮「涙が出てきた」 「楳図かずお大美術展」オープニングセレモニー
東京シティビュー「楳図かずお大美術展」
中川翔子、スタッフに止められた「絶叫顔」生披露 「楳図かずお大美術展」オープニングセレモニー
おまけ動画:👇👇
楳図かずお原作「わたしは真悟」予告編
もいっちょおまけ動画:👇👇
【グ○注意】これ今の時代じゃ絶対にアウトな漫画やん【ゆっくり解説】
楳図かずお氏「ビッグコミック創刊50周年」インタビュー
さらにもいっちょおまけ動画:👇👇
BSマンガ夜話 第03弾(1997年05月26日~30日放送分)第01夜 「わたしは真悟」楳図かずお【※物語の多少のネタバレを含みます。】